当社は、①地金事業、②金属製品事業、③リサイクル原料事業、④環境設備・資材事業の4事業を国内・海外に展開しています。
①地金事業:亜鉛・鉛の地金の販売
②金属製品事業:電子機器や自動車部品の金属材料販売
③リサイクル原料事業:使用済み金属素材の購入/販売
④環境設備・資材事業:洗浄剤、洗浄機やその他金属加工に必要な設備・資材の販売
⑤海外拠点:①~④を海外にて展開
これら5つの活動を通して、持続可能な社会の実現のため、どのような貢献ができるかを考え、目標(ゴール)を設定しました。
1.地金事業 | 2.金属製品事業 | 3.リサイクル原料事業 | 4.環境設備・資材事業 | 5.海外拠点 |
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現在、人間の社会活動や生産活動に伴い排出されてきた廃棄物をゼロにして、循環型社会を構築する「ゼロエミッション」が、将来世代への環境負荷を残さないためにも、必要とされています。
地金事業では、各種非鉄金属地金の販売からリサイクル原料の回収・販売まで行うことで、当分野での「ゼロエミッション」の実現に向けて、活動しております。
鉛は、主に自動車等に使用するバッテリー分野で多く使われております。何度リサイクルされてもその性質が変わらず、ほぼ100%再利用されており、リサイクル性の大変高い金属です。
鉱石から製錬された鉛地金は、バッテリーメーカーで鉛バッテリーとなります。市中で自動車や産業機器の電源として使われた後、廃バッテリーとして回収されます。その後、プラスチックと金属に解体され、金属部分は鉛地金に再生、再度バッテリーとして生まれ変わります。
私たちは、循環する鉛ライフサイクルの川上から川下まで、幅広く関わっています。国内・海外での事業展開をとおして、地球資源の有効活用を推進し、持続可能な社会を支える活動を行っていきます。
亜鉛は、主に鋼板や金属部品へのメッキ処理に使われており、自動車や建築資材の製造には欠かせない存在です。一方で、その性質上、非鉄金属の中でも回収が難しい金属の一つであり、業界全体でリサイクル率向上を目指しています。
鉱石から製錬された亜鉛地金は、鋼板や金属部品のメッキ加工に使用されます。メッキ加工中に発生する亜鉛スクラップは、再生亜鉛メーカーで再生され、再びメッキ加工用亜鉛へとリサイクルされます。
また、鋼板を溶解する電気炉から発生する電炉ダストは、焼成加工を経て粗酸化亜鉛となり、再び亜鉛地金に生まれ変わります。
私たちは、循環する亜鉛ライフサイクルの川上から川下まで関わる活動をしております。今後も、バリューチェーン内のお客様と亜鉛のリサイクル性向上に尽力し、持続可能な社会を支える活動を行ってまいります。
近年、地球温暖化の原因と言われているCO2排出量の削減が、地球規模で進められています。
特に、自動車産業分野でも、CO2排出の大きな要因となっているガソリン車を規制し、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)などの環境負荷の少ない自動車(環境車)の開発・導入が、世界的に広まっています。
当社は、環境車に使われる金属材料の供給と、環境車には欠かせないリチウムイオンバッテリーの製造に必要な高機能金属材料や設備関連製品*1を、アジア地域を中心とした各国の自動車部品加工メーカーへ販売する事業を行っています。
今後も、私たちは、環境車に使用される金属製品や設備の販売を通してCO2排出削減による環境負荷軽減を推進し、持続可能な社会を支える活動を行っていきます。
*1)リチウムイオンバッテリー製造ラインで、高い吐出精度が求められる塗工工程に使用される高機能ポンプ
当社は、非鉄金属製品の製造及び加工工程から排出される銅や銅合金などの各種リサイクル資源の再利用に関わる事業に携わっています。工場から排出されたリサイクル原料を収集し、選別・加工を加えたのち、製錬所や伸銅品メーカーなど、原料を必要とするお客様に提供する事業です。
選別・加工の工程では、原料の高品位化・大ロット化を行い、収集提供の過程では、当社の海外8カ国11拠点の機能を活用し、国内外で安定的な原料の収集提供が行える体制を整えております。リサイクル原料の効率性・安定性・流動性を高めることで、非鉄金属資源のゼロエミッションの達成に向け活動しています。
また、鉱山にて採掘された鉱石が、選鉱・輸送・製錬の過程を経て、製品化されるまで、多量のエネルギーが消費され、CO2が排出されています。
工場から排出されるリサイクル原料を廃棄せず、再利用することで、これらのエネルギー消費が低減され、CO2排出削減に貢献していると考えています。
私たちは、当事業の拡大がそのまま社会貢献につながる分野であるとの自負のもと、今後も、創業以来、非鉄金属商社として培った知見や経験を活かし、バリューチェーン内のお客様とも協力しながら、持続可能な社会を支える活動を行ってまいります。
近年、パソコンや携帯電話などの電子機器の急速な普及に伴い、その内部に使用される、プリント基板の廃棄が世界各地で大量に発生しています。プリント基板は、貴金属を中心とした多くの有用金属を含む一方、鉛などの毒性を有する金属も含んでいます。リサイクル処置の過程で、環境面に配慮しない、不法な投棄や焼却、水質汚染物質の排出などが、各国で問題となっており、その適正な処理が大きな課題です。
日本は、EUや韓国と並び、環境性の高い先進的なリサイクル技術を有するとともに、トレーサビリティを含む適正な処理を行っている国の一つです。
当社は、アジアを中心に、世界各国から、廃基板スクラップを日本に輸入し、製錬所へ納入する事業を展開しております。
廃基板スクラップの輸入者として、法令(バーゼル法)順守を徹底するとともに、資源の有効利用と有害物質の適正処理の両面から、日本での当事業への取組が、世界の環境負荷低減に貢献し、持続可能な社会作りに有益である認識のもと、今後も、事業の拡大を図ってまいりたいと考えています。
当社の携わる洗浄事業は、オゾン層破壊問題等の、地球環境問題に強い関りがある分野です。1990年代前半までは、多くの企業でオゾン層破壊物質であるエタン、フロンを含む塩素系溶剤が普及しており、大きな社会問題となっていました。それを受け、洗浄業界でも、オゾン層保護の観点から、代替製品の開発が進み、炭化水素系等の環境負荷が低い洗浄剤が上市されました。現在も、洗浄性の向上に加え、オゾン層破壊防止と地球温暖化防止の両面から、環境に配慮した製品の開発・提供が進んでいます。
当社は、東ソー株式会社の販売代理店として、1998年から洗浄剤販売事業に携わって参りました。同社は1970年に1,1,1-トリクロロエタンの製造を開始し、豊富な洗浄技術の蓄積を元に1993年から炭化水素系高機能洗浄剤「HCシリーズ」を展開しています。当社では洗浄剤*1の販売のみならず、安全、適切に使用する為の洗浄設備*2の提案、販売も手掛ける事で、工業用洗浄業界における環境負荷物質の削減に尽力して参りました。
また、中国及びアジア各国に在庫拠点を構えることで、環境性の高い製品の持続可能な供給体制を構築して参りました。
20年以上にわたる活動の中で培った経験と知見を活かし、今後もお客様のニーズに合わせ、洗浄性と環境性を両立した製品の提案・供給を通し、地球環境保全の一役を担う活動を行って参ります。
*1)洗浄剤
*2)洗浄設備
わたしたちが1970年にシンガポールへ進出してから約50年の間に、東南アジアを始めアジア諸国は大きな発展を遂げました。この発展に合わせて、扇谷は海外でも、現地の人々と協力しながら、金属製品の仕入・販売からリサイクル原料の買取りまで、非鉄金属資源の循環ビジネスを行ってきました。
現在、アジア地域8カ国11ヵ所に拠点を構え、グループ全体の海外従業員は250名を超えます。
海外拠点では、自社倉庫を駆使したリサイクル原料の選別・加工によるリサイクル原料の高品位化・大ロット化、及び、拠点同士のネットワークを駆使した安定的な原料の収集に力を入れてきました。
また、保税倉庫機能を活用した現地のお客さまの物流や在庫管理のサポートにより、コストカットや利便性の向上に貢献し、産業基盤を支える事業も行っています。
これからも、長年培った知見や経験を活かし、国内外で持続可能な社会を支える活動を行うとともに、現地の文化や法制度を把握・遵守しながら海外での雇用を創出し、事業の発展とともに各国の発展に貢献していきます。